JAXAと契約!宇宙飛行士の健康管理を支援
山﨑由久 医学博士(Yoshihisa Yamazaki)

航空宇宙生理学の専門家。
東京教育大学(現筑波大学)卒業、米空軍航空学学校修了、東邦大学医学部にて博士号取得。
大学卒業後、航空自衛隊に入隊後パイロットの生理訓練関連装置開発運用(低圧、低酸素環境、耐G、空間識失調、射出座席等)に携わり、航空医学実験隊、航空開発集団医務官等を経て、川崎重工業に入社。

航空宇宙技術本部、宇宙機器設計部にて宇宙飛行士の訓練設備の設計及び宇宙服の導入に携わる。
その後、JAMSS(有人宇宙システム)に入社し、宇宙飛行士の養成のための生理訓練等を担当し、JAXA(宇宙開発機構)との契約で、宇宙飛行士健康管理業務の研究支援等を実施した。

退職後、宇宙飛行士の筋力、骨量減少対策として、血流制限状態を定量的に調整する装置を用いた運動法や、血流改善用の駆血法などが出来る機能を備えたVRC装置を開発。

開発経緯

健康維持のため週6日間2.5時間の運動をする宇宙飛行士。
これを勤務時間内に行うが、宇宙飛行士には1時間当たり350万円(JAXAの査定)の費用が掛かっている。つまり、健康維持のために毎日875万円も使っていることに…。

何とか運動時間を短くできないか、というNASAの依頼を受け開発されたのがVRCの前駆体である。開発者の山崎と加圧学会で親交のあった整形外科の医師が、四肢の手術時止血状態を数時間続けた後に、手術終了後に止血状態を解放し、血行開始と同時に止血部遠位が非常に真っ赤になる事象から、血行を良くする何かの作用(大脳からの命令で交感神経が緊張し毛細血管を拡大する。推定)が働くのではないかと考え、手術後や、骨折、捻挫、関節の痛みに駆血治療を開始された。

しかし駆血をゆっくり行うと逆に出血が多くなり、障害となることが判明(加圧運動用の加圧マスター等の機器を用いた場合)し、
駆血は10秒以内で早急に行うと術後の出血や浮腫が発生しないことが分かった。

また、カフを巻いた状態でトレーニングするためのトレーニングカフは、駆血のためには圧が高くなり、その部位の痛み等が発生するので、
低圧で駆血可能なカフが必要となることが分かり、話し合いの中で、山﨑がその問題点を解決するために開発を行った。

開発した駆血装置試作品の評価試験を依頼し、その結果を色々装置に反映しながら改修を繰り返し、ようやくVRC駆血機装置を完成させた。